『昔は・・よかったなぁ・・・』


なんて言葉を、人生で一度くらいは耳にしたことがあるのではないだろうか。


そして、皆さん自身、一度くらいは思ったことがあるのではないだろうか。


そう、日本人は、昔を思い出すことが大好きである。



ALWAYS 三丁目の夕日 シリーズの映画版ヒットや、


昔風町並みが観光地として常に高い人気を誇ることからも、このことは言える。



とある心理学者によれば、


過去をよかったと言うものは、


現在に対して何らかの不安があり、


それを隠すために過去、自分が良かったころのことを誇示するのだ、とのことだが、


例えば私の世代(20代半ば)にしてみれば、


3丁目の夕日時代は、過去の自分が体験した時代ではない。



しかし、あの映画は確かに『懐かしの日本』の匂いがした。


過去の自分を誇示するために深層心理が自分を動かしたなどという説明では、


到底理解しがたいことである。



やはり、田園風景広がる、


そして、高度経済成長を遂げる前段階の日本に、日本人共通の、


なんらかの思い入れがあることを、私は疑わない。



そういえば、


森ビル社長の森氏がとある番組に出演したときの話に、こういうものがある。







新橋の飲み屋街は、サラリーマン憩いの場である。


また、戦後から変わらぬ、昔懐かしい風景が残る場所の一つでもある。


これは、あの一帯に高さ制限が敷かれており、


ある高さ以上の建物の開発が出来ないことに起因している。


航空写真を見ても、確かに新橋に走る道路の両側のみ、谷間のように


高さの低い建物のエリアがあり、開発が行われていないことが分かる。


森氏は、ここを開発したい、との考えを述べ、そしてこういった。


『そろそろ、昔懐かしい、というのを重んじる風潮は止めて頂きたい』





・・・


どうやら、昔を懐かしむ思いは、氏にとって、やっかいなものでしかないようである。


氏の望む、街の発展、近代化にとって、無価値なものののようだ。



森氏は、どうやら近代日本の都市計画を、


自らの力で作ってきたと認識しているようだった。



現在、日本の都市化は飽和状態であり、


上海の都市化に、力を入れているようだ。


2008年、上海ヒルズなるものも竣工する予定で、


リアルシムシティが大好きな氏にとって、


上海は金のなる木といったところか。




上海も数年後、喧噪にまみれた雑多な町並みは消え、


東京のような、整然とした町並みに生まれ変わるであろうことは確かである。


もちろん、森氏の手によって。



それがいいことなのか、悪いことなのか、


私には判断がつかないが、


きっと将来、


上海版、3丁目の夕日が、かの国で流行ることは確かであろう。




さて、話題を変えよう。



そんな、昔の日本が大好きな日本では、


ゲームの世界でも、少年時代を題材にした作品が出回っている。


その代表は、PS時代からシリーズとして続く、


『ぼくの夏休み』である。


ぼく君と名乗る少年の、一夏の思い出を遊ぶゲームであり、


私もずいぶんと楽しんだ。


最新作はPS3なので、残念ながら、多分今後もやる予定は無いが。。。




そして、そんなジャンルのゲームとして、


先日、DSで『放課後少年』というものが発売された。



本作品の舞台は、昭和50年代。


小学校6年生の主人公が、夏休みに入る1ヶ月前から話は始まる。


夏休みの始まりと共に、遠くへ引っ越してしまうことが決まった少年。


それまでの1ヶ月間を、その街でどう過ごすか、、というものである。



友人達と、遊び、話し、そして笑う。


残り少ない時間の中で、友達との心の繋がりを深め、


今という時間の大切さを知る、


そんなゲームだ。




ゲームが始まると、


まずは少年の名前を決めることになる。



もちろん、私がつける名前は、


むさし』だ。



次に、あだ名を決める。


なんにしようかしばらく悩んだが、スタンダードに

むさし君』にした。



ゲームは始まった。



むさし少年は、仲の良い友達と、毎日元気いっぱい遊ぶ。


むさし、今日は神社行こうぜ!』


『さんきゅー、むさし!』



友達達は、思い思いにむさし少年と絡む。


彼らは、むさし少年が引っ越すことを知らず、


夏休みを楽しみに、日が沈むまで遊ぶ。



そして、そんな毎日の中で、友達も、更に仲良くなっていく。


ある日、


一番仲の良い友達が、むさし少年を呼ぶ際、


呼び方が、名前から、あだ名に変わった。


むさし君、遊ぼうぜ~』






明らかに関係が疎遠になった。





その後、他の友達とも仲が良くなるたび、


次々と変わってゆく呼び方。


折しも、引っ越しするということが周りにバレ始めた矢先だった。




むさし君、元気だせよ。


むさし君、君が居なくなるなんて寂しいよ。




・・・・



ゲーム内のむさし少年はとても生き生きとしている。



しかし、プレイしてる側としては、



どう見ても引っ越しが決まって疎遠になり始めたようにしか見えん!




リアルむさし青年はとてもゲームに入り込めないぞ。







結論、あだ名はもっとフランクに設定すべし。





放課後少年自体は、結構面白いですよ、オススメ。